新 寝たり起きたりすわったり

元々は『猪名川タイムズ』サイトに連載してたエッセイを『はてなダイアリー』で継ぎ、『はてなブログ』に移行させた間賀凜のエッセイ。タイトルはサトウハチロー先生のエッセイ『見たり聞いたり試したり』のパロディ。

第15回 最近、自主制作映画界が元気良い!(2018.10.12 金曜日)

最近、巷では『自主制作映画』がゾンビホラースラップステックコメディー映画『カメラを止めるな!』(2017年 上田慎一郎監督 ENBUゼミナール製作 東宝配給)が大ヒットしているらしい。

 

この映画をコネで観ることになった有名監督や著名人らが観てみると「オモロい!٩(๑>∀<๑)۶」と思い、自分の身の回りの人々にコソッと話したらば、その有名無名を問わない人々が「オモロい!٩(๑>∀<๑)۶」と言って、まずはSNSで拡散し、みるみるうちに口コミが広がり、この映画を観たタレントやDJたちが「オモロい!٩(๑>∀<๑)۶」と言うに至り、遂には大手映画会社でここ数年に渡り、

日本映画会社で『シン・ゴジラ』とか『ドラえもんシリーズ』などやアニメ『ジブリ映画』や『君の名は。』などで躍進を続ける、東宝の配給で公開されることになったという、『自主制作映画のわらしべ長者的広がり』を見せて、2018年10月現在も異例尽くしのロングラン上映中の映画。

 

私的な自主制作映画との出会いは『特攻任侠自衛隊』と『戦争の犬たち』(土方鉄人監督 飯島洋一主演)と時代劇ならば『蠢道』(三上康雄監督 汐路章助演)とか『moment』(今関あきよし監督)とか『暗くなるまで待てない!』(大森一樹監督 脚本)とか手塚真とか森田芳光のデビュー作とかを学生時代はよくシネマ解放区とかSABホールとか阪急ファイブのオレンジルームとかその辺の公民館でプレイガイドジャーナルを片手に足繁く通ったのは、当時、映画監督志望者だった実母を亡くした寂しさを埋める為だったのかも知れないし、有名とか新人監督の8mm上映会でなく、無名の映画サークルの上映会だと、会場費がまかなえるぐらいの入場料で観れて、また、母が亡くなり、父も若かりし頃演劇映画青年として過ごしたせいか、大変この辺りの件に関しては理解があり、小遣いを大幅に値上げしてくれたりなどなど…。その瞬間(1982年5月7日午前0時14分 於 関西医大滝井病院=現 関西医大総合医療センター)に何故か映画監督になろうと思ったんだが、自分は原則的に二足の草鞋が履けない人あり、引きこもり→高校中退→宮崎県に留学(父の実家)→引きこもり→帰阪→引きこもり→父に騙されてコック修業開始などなどの為、音楽活動と在阪ラジオ番組のハガキ職人は継続してたながら、いつしか映画監督の夢はほぼ忘れて行き、いつしか映画館や上映会に行くこともなくなり、代わりに演芸場や学生劇団の芝居や音楽ライブに自然と足繁く通う様になってった。

 

自主制作映画は、後の映画館で上映される映画を制作した、新進気鋭の監督の作品も、そうでない学生や社会人のサークルの作品も大抵稚拙なモノが多かった反面、とても考えて作られていて、たとえ、有名俳優が出ていなくても、構成や構図などのカメラワークなどはしっかりしていて、なんといっても、一般的な映画の様に『まとまった感じ』の代わりに『とてつもない疾走感や熱い力と勢い』を感じ、飽きる事はなく楽しく鑑賞する事が出来た。

 

また、当時は『小型映画』(玄光社刊 後の『ビデオsalon』誌)という老舗の総合8mm映画を中心とした専門誌があり、それを観ると『ロケ先の許可の取り方』と『制服などの特殊衣装や特殊な小道具のレンタルの方法』とか『各地での映画サークルの紹介と上映会スケジュール』や『最新関連機器の紹介』や『ひとつ上級な撮影技法』などなどの唯一の自主映画の強い味方として、日曜映像作家たちの強い味方として長年彼等を支えてくれた。

 

ただし、これらの作品群がもしもテレビで放映されたらば、全然面白くない物として、見てしまっていたかも知れない。あの、暗闇の中、正面のスクリーンに映される映像と1対1で向き合える幸福感は何よりも代え難い至福の時間であり、安っぽいけれども、作り手たちの熱意というモノが伝わって来る物だと私は考えている。

 

ただ、そうした演出家や俳優や裏方技術者を養成する専門学校とか大学が増えた反面、大阪と名古屋の民放テレビ局ではドラマ製作班が新局舎完成と同時に廃止され、名阪在住の俳優さんたちは戦々恐々となり、伝統的なあくまでも俳優が正業ながら、アルバイトや飲食店経営などを生業にしなければならなく、また、映画監督たちも一本製作完成させて、どこかでお金取って上映したという、既成事実を作り上げ映画監督を名乗るものの、次回作が作れずに、企業映画や広告映画、カラオケ用素材や、祝い事の記録などなどで糊口を凌ぐ人々が爆発的に増えているとも訊く。

 

あと、若者たちのケーブルテレビ加入率も増えているのは、自分たちが産まれて、しばらくは地上波テレビで充分だったが、その内、二十歳前後の頃に衛星BS放送のノーカット映画やスポーツ放送が始まり、それらの方がが楽しくなり、地上波テレビに飽き足らなくなったユーザーたちや地方に住んでる人々が中心となり、CS放送=ケーブルテレビに加入していった。

 

ケーブルテレビとかBS+CS放送に入ったら、もう、わざわざレンタルビデオ屋に行かなくても済むし、録画も制限はあるけど可能になる。懐かしい映画やドラマ、各種テレビ番組や公営ギャンブル、時代劇、ドキュメンタリー、麻雀、各種公営ギャンブル宝塚歌劇や韓流ドラマやAV(セクシービデオ)などに至るまで専門チャンネルがある。

 

で、スマホの爆発的普及のここ15年に至り、YouTubeやdailymotion、国内だとGyaOなどのスマホで手軽に見られるチャンネルが人気を集め、テレビの普及率が少しずつ減少して行き、若い人々を中心に家に据え付けテレビの無い人びとも増えて来て、テレビを観るのも、生活に合わせて個人個人での選択が容易になった。

 

 

ま、それだけメジャー云々を考えなくても、作り手も観る側も多様化していて、選べる様になったのは有り難い。

 

究極は映画とかアダルトとかゲームするためにしかテレビを観ない方々(同一人物ではない)。

 

 

逆に放送媒体に乗らなくても、この『カメラを止めるな!』みたいな興業形態の自主製作映画は今後増えていくことだろうと私は勝手に考えている。

 

(了)